マッサージジョブの概要
マッサージセラピストの基本的な仕事内容は、主にマッサージを提供することです。これから書く内容は、セクシャルなものではなく、リメディアルマッサージ、ディープティッシュマッサージ、リラクゼーションマッサージなどの一般的なマッサージセラピストの仕事についてです。クライアントは主にオーストラリア人が多く、日本人やアジア人を対象にすることはほとんどありません。働く時間帯は人や場所によって異なりますが、一般的には朝の9時か10時にスタートし、早いところでは午後5時に閉店しますが、多くの場合は6時か7時まで営業しています。
オーストラリアでのマッサージジョブの利点
オーストラリアでのマッサージジョブの利点としては、まず高い需要が挙げられます。オーストラリア人はTAFE(専門学校のようなもの)に通い、リメディアルマッサージセラピストになること多いですが、途中で辞めてしまう人が半数以上いると、以前TAFEに通っていた友人から聞いたことがあります。そのため、オーストラリア人や他のヨーロッパ人との競争が少なく、アジアンマッサージ(強圧)などを求めてくるクライアントがいるのでアジア人としての利点を使えます。そしてマッサージ中にあまり話すことがないため、英語があまり話せなくても高い給料を得ることができます。しかし、オーストラリアに来たからには英語を職場で使いたいですよね?安心してください。クライアントは主にオーストラリア人なので、話したいときには英語を話すことができ、基本的な接客も英語で対応するため、英語の勉強にもなります。さらに、柔軟な勤務時間も利点です。マッサージショップは通常、月曜日から日曜日までの7日間営業しており、その間でシフトを組んだり、他のスタッフとシフトを交換したりすることができるため、行きたいコンサートやイベントに参加することも可能です。
場所によってはスポーツ選手などをマッサージすることもある為、日本で理学療法士などをしていた方は好きな仕事かもしれません。
求職方法と必要な資格
マッサージジョブを見つけることは比較的簡単です。例えば、『日豪プレス』やその週に更新される日本語サイトをチェックすると、必ずと言っていいほどマッサージジョブの求人が掲載されています。また、Facebookの日本人コミュニティでも、マッサージジョブの募集を見かけることができます。
しかし、ここで注意が必要なのは、医療従事者や理学療法士、看護師など、身体についての知識を持っている人は非常に有利だという点です。これは、雇用者が一から教える手間を省けるため、身体に関する知識がある人が優先されるからです。
とはいえ、人手不足が深刻な地域では、経験が全くない未経験者でも、マッサージジョブを得ることができる場合があります。そのため、基本的には特別な学校に通う必要はなく、比較的簡単に仕事を見つけることができます。しかし、大手のホテルスパマッサージセラピストなどは資格がある人が有利になることが多いので自分がどのレベルでマッサージセラピストをしたいのかは必ず決めておくといいと思います。
実際の経験とアドバイス
最初にクライアント対応をする際、緊張する場面があるかもしれませんが、基本的にはその場で働いている先輩のやり方を真似ることが一番の方法です。例えば、「How can I help you today?」といった基本的なフレーズを使うことが多いので、その言葉を覚えてしまえば、日常会話があまり得意でない人でも簡単に対応することができます。また、英語で覚えておくと役に立つフレーズとしては、「痛いですか?」や「どのくらいのプレッシャーが良いですか?」といった質問があります。これらを覚えておくことで、クライアントとのコミュニケーションがスムーズになります。マッサージセラピストで実際に必要だなと思った英文、英単語に関しては後ほど別で掲載しますね。
大きな難しさは特にありませんが、時折、少し変わったクライアントが来ることもあります。(セクシャル的なことを求められる)そのような場合には、必ず断る勇気を持つことが大切です。断りづらいと感じた場合は [ I need to check something ] [Hold on please ] などと伝え退出し、他のスタッフに助けを求めましょう。
最初のうちは、クライアントがなかなかつかず、「どうして他の人だけお客さんがついているの?」と感じることがあるかもしれません。特に負けず嫌いな人には、この状況がつらく感じるかもしれません。しかし、マッサージセラピストは、ある程度の技術を磨くことで、自分の顧客を徐々に獲得することが可能です。このセラピスト人気だなと思ったらその人の技術を盗みましょう。必ず人気な理由があるので、一度マッサージを実際に頼んでもいいと思います。
3ヶ月から4ヶ月経った頃には、この仕事が自分に合っているかどうかを見極めるのも良いでしょう。
収入と仕事の安定性
収入と仕事の安定性についてお話しします。ここは多くの方が最も気になる部分だと思いますが、マッサージジョブは基本的にジャパニーズレストランや他のレストランで働くよりも高い給料を得ることができると思います。その理由の一つは、マッサージジョブの多くが歩合制であることです。
私がこれまでに働いた3店舗すべてが歩合制でした。歩合制の内容は店舗によって異なりますが、例えば「1時間マッサージをしたら40ドル」や「お客さんが支払った金額の50%」といったように、お店によって定義が違うため、働き始める前にその点を明確に確認しておくことが重要です。また、語学学校などに通った後でも働かせてくれる場所があるので、その点も確認しておくと良いでしょう。大体経験のない人であれば$40〜45、経験がある人、専門学校に通学した人は$50〜60くらいです。給料としては週5で働くと700〜1200くらいの給料の方が多いです。
次に、チップ制度についてです。オーストラリアでは基本的にチップ制度がないため、チップは期待しない方が良いでしょう。ただし、一部の場所ではお会計の際にチップを選べるところや、高級住宅地ではクライアントが20ドルから50ドルほどの現金を渡してくれることもありますが、これもあまり期待しすぎない方が良いでしょう。
また、指名制度がある場所もあります。指名制度とは、お客さんが特定のセラピストを指名することができる仕組みで、これにより自分の顧客を増やすことができます。場所によっては、指名料として5ドルほどをそのまま受け取ることも可能です。私が以前働いていた店舗では、1時間45ドルの基本給に加え、10ドルから20ドルのチップ、さらに5ドルの指名料を合わせて、1時間で60ドルから70ドルを稼ぐこともありました。これはセクシャルなサービスではなく、リメディアルマッサージ・セラピストとしての正当な収入です。
このように、マッサージジョブは他のアルバイトに比べて高い収入を得ることができ、指名やチップの機会も含めると、さらに収入が増える可能性があります。
基本的にマッサージセラピストはカジュアルジョブとしての扱いですので有給制度はありません。しかし場所によっては週5で働けばホリデーペイがもらえる場所もあるので確認してみましょう。
さらに付け加えると、マッサージショップの忙しさは、場所や季節によって変動します。基本的に、オーストラリアでは夏が繁忙期であり、その時期にはマッサージを受けに来るお客さんが増える傾向があります。そのため、冬の間は収入が減少することもあるかもしれません。
ただし、一部の店舗では「ミニマムペイ」と呼ばれる最低賃金が保証されていることがあります。この最低賃金は非常に低く、通常は120ドルから150ドル程度で、多くの場合は120ドルが標準です。これを時給に換算すると非常に低い金額になりますが、マッサージをしていない時間は休息を取ったり、自分の好きなことをしたり、英語の勉強をするなどの時間に充てることができるため、コストパフォーマンスは悪くないと感じるかもしれません。
このように、マッサージジョブには季節による収入の変動や最低賃金の問題もありますが、それでも自分の時間を有効に使いながら働けるという利点もあります。
まとめ
まとめとして、これまでマッサージジョブを考えている方にお伝えしたいポイントを網羅しました。マッサージジョブに挑戦する価値としては、まず英語の勉強をしながら働けること、そしてお金を稼ぎつつ自分のしたいことをする時間も確保できることが挙げられます。また、マッサージのスキルを身につけることで、将来的には独立したり、他の州でも仕事を見つけやすくなるなど、多くの可能性が広がります。
さらに、オーストラリアには多くのアジア人経営のマッサージショップがあり、その中で働くことで、日本人スタッフから直接マッサージの技術を教わったり、ボスとのコミュニケーションを日本語でサポートしてもらえるなど、言語に不安がある方にも安心できる環境が整っています。そのため、ワーキングホリデーの初心者の方にとって、マッサージジョブは非常にお勧めできる仕事だと言えるでしょう。
これらの理由から、オーストラリアでのワーキングホリデーを考えている方は、ぜひマッサージジョブに挑戦してみてください。